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温く優しい世界で  作者: シクラメン
一章 お金を稼ぐ難しさは社会の余裕に比例する
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2-9 しらみ撲滅作戦

 金を稼ぐ方法については片付いた。

 正確には片付いた訳ではないが、今考えても仕方ないだろう。

 問題が起きてから対処すればいい。

 今はそれより重大なことがある。

 リリーのことである。

 リリーの発育は悪い。

 13歳だというのに130cmちょっとの身長、30kgない体重、8歳になったくらいにしか見えない。

 髪はくすんだ金色、昨日手入れしたからこれはだいぶマシになったが、肌はがさがさ、ところどころ赤く焼けた様な発疹がある。

 目は大きくてかわいらしいが赤く充血して青い目が痛々しい。よくこすっているところを見ると、結膜炎をおこしてるのかもしれない。

 口の中にはビタミン不足か口内炎がいくつか見えた。

(目薬、虱用の梳き櫛と、薬用シャンプー、ボディクリーム、ビタミン剤、それに子供服と児童用下着・・・、ほかに何がいるかな)

「リリーはどんな服がいい?」

 そう聞いてリリーにPCのモニターを見せると目をぱちくりさせて戸惑っていた。

 神様対応のネット通販はいつの間にかPCにインストールされていた。

 検索機能つきで曖昧検索にも対応、荷物は2秒で届く。

 すごく・・・神対応です。


 家に帰るとユウキさんは不思議な光る板をぺたぺた触っていた。

 今日は少し歩いたから疲れてしまって、ウトウトしながらそれを見ていたのだけれど、しばらくすると板を見せられて服を選ぶように言われた。

 選んでいいのだろうか?どれも見たこともないようなきれいな服だと思う。

 別に買ってくれると言っているわけではないので、かわいいと思った服をいくつか選んだ。

 すると・・・、空中にポンっと箱が現れた。

 これには驚いた。

「こんな風に届くのか」

 そう言うユウキも驚いていたが、どうやら彼がやったことのようだ。

 彼はごそごそと箱の中を確認し、私に服をあてて、

「うん、かわいい。サイズもぱっとみて問題なさそうかな?着てみて問題ならまた買えばいいか」

 どうやら彼が買ってくれたものらしい。

 あんな板でどうやって買ったのだろう?

 ただ、彼が私のためにいろいろ買ってくれたのはわかったのでお礼を言った。

「あ・・、ありがとう」

 そう言うだけで彼は笑ってくれた。


 風呂に入れる段階になって気が付いた。

 昨日は緊急事態だったので放り込んだが、さすがに女の子を風呂に入れるのはまずかろうと・・・。

 石鹸やシャンプーの使い方はわかるだろうが・・・、虱用の梳き櫛は髪を濡らしてないと毛が抜けて痛い、引っかかって辛い。

 薬用シャンプーはぶっちゃけ殺虫剤なので2日おきでいいといえ、沁みる。

(んー、使い方を説明して自分でやってもらおうか・・・)

 そう思ってお風呂に放り込むと

「うわ・・・、すごい・・・」

 という声が聞こえ、しばらく悪戦苦闘していたようだが、少ししてからギャン泣きが聞こえた。

「大丈夫!?」

 何事かと思って行ってみると、梳き櫛が髪にぶら下がったままわぁわぁ泣いていた。

 あたりに何本も抜けた毛があるところを見ると、うまくできなかったらしい。

 湯冷めするのもまずいので昨日と同じように湯船に入れてやり、絡まった毛をほどきながら梳き櫛を取り、梳いてやる。

 櫛を風呂桶につけると虱がぷかぷか浮くので見せてやると、おとなしくされるがままになった。

「痛かったら言ってねー」

「あ・・・、大丈夫です。・・・・ごめんなさい」

 そんなことを言いながら梳いて、お湯につけてを繰り返す。

「いいのいいの、“うちの子”だからね」

 この子には今、親が要る。ここに居ていいんだと思わせなければいけない。

 依存に近いとは思うけれど、普通に行動できるようになるまでは甘やかしていいだろう。

「おとうさんって呼んでもいいよー」

 と、冗談めかせて言うと

「あ・・・あの・・・」とわたわたと慌てていた。

 うん、うちの子はかわいい。

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