今、君を想う~再会2 数日の決別~
そんなやりとりを繰り返しているうちに、ある日彼女の様子がおかしい事に気付いた。
『ねぇ…』
僕は一瞬にして硬直した。今までと何かが違うと思ったからだ。
『本音を言うね。君と再会して、君とやりとりして、本当に毎日が楽しくて仕方がない。もっと気軽に君に逢えたらどんなに嬉しいだろうかって凄く思う。でもね、私は家族がとても大事。本当に大事。だから、一方的で本当に申し訳ないけど、今日でLINEやめようね?今まで本当にありがとう。』
僕は、言葉を失った。確かに彼女の言ってる事は至極当然、正しい事だとは分かっている。
でも、この数か月のやりとりが一瞬で消えるのがとても怖く感じた。また、孤独の日々に戻るのが
とても怖かった。そこで僕は、彼女にこう送った。
『色々と考えて悩んでいたんだね。苦しませてごめんね。でも君とのやりとりが無くなる事が僕にはどうしても考えられないんだ。君が、僕を嫌いと言うならば素直に言う事を聞く。でも、そうじゃないなら、このまま続けたい』
そう彼女に送った。その後2時間ほど彼女から連絡がなく、とても恐怖に襲われたのを今でも覚えている。
そして、やっと彼女からの連絡がきた。
『嫌い!!大嫌い!!本当に悩んで苦しくて…お願いだから私の言う事聞いて!!これじゃ、同級生っていう関係にも戻れなくなっちゃうじゃん!!!』
頭が真っ白になった。
何も考えれない。けど、答えを返さなくちゃいけない。流れる涙を必死にこらえながら悟られまいと
僕はこう返した。
『そっか、君が僕を嫌いなら仕方がないよね^^散々悩ませて、苦しませてごめんね。でも、一つだけ言わせて。僕は君に嫌いと言われてもどうしても好きな気持ちは消えないから。君が好きだから、君が笑顔で過ごせる事を心から祈ってるよ、今までありがとう』
終わったんだ。僕の恋は終わったんだ。既婚者が何を言ってるんだと言われればそれまでだけど
僕は心から彼女が大好きだ。失うのがこんなにつらいなんて。。。
その日、僕は僕の心情を知っている飲み屋を経営している同級生の店に行き、経緯を話した。
すると同級生の『H』はこう言った。
『あんたバカ?こんなのあんたが好きで仕方がなくて、でもどうしようもなくて送っただけじゃん!!!あんたの事好きだから、もっと深く傷つけてしまう前に自分が悪役なっただけじゃん』
『そんなわけないだろ?はっきりと嫌いって言われたんだから』
僕は、グラスのビールを一気飲みして応えた。するとHはため息交じりにこう言った。
『あんた、本当に鈍感の鈍ちんだね!!!人の事はとても目が行き届いているのに自分の事はからっきし。心配なるよ、本当!!!』
ん?Hは何を言ってるんだ??僕には本当にわからなかった。確かに僕は、周りを観察しながらその場に合わせて動く事に長けてると自分でも思う。だが、自分の事は何もわからない。
続いてHはこう言った。
『彼女があんたを傷付ける様な子だと思ってるの?あんたが好きな彼女はそんな子なの?』
確かにそうだ。彼女がとても真面目で、純粋で、悪戯に人を傷付ける子じゃない。
でも、僕はどうしても連絡する気にはなれなかった。そんな純粋な子が決意して送ったきた内容を
無下には出来ない。彼女の意思を尊重し、僕は明日から連絡をしない事を決めた。