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今、君を想う  作者: 柾木
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今、君を想う~再会1~

毎日、朝に『おはよう、今日も良い天気だね』等の会話から始まり、仕事が終わると

『今日もお疲れ様』の会話で締めくくられた。

このやりとりの最中、僕はどうしても彼女にしておきたい事があった。


それは、高校時代に渡しそびれた誕生日プレゼントを渡すことだった。

彼女の誕生日は11月下旬、僕らはその前にお別れをしたため渡すことが出来なかったのを僕は悔いていた。

勿論、お互いが既婚者で伴侶がいるのは重々承知だったが、渡さないと気がすまないと言う僕のエゴが

働いた。


僕らは偶然にも会社が車で5分程度の場所にあり、彼女の帰り道の途中に僕の会社があった。

プレゼントを渡すのには好都合だった。

その日、僕は彼女に『預かったものがあるから帰りに寄ってもらっていい?』と言う

小さな嘘をつき、仕事帰りに会社によってもらった。


勿論だが、会社には僕一人である。朝一番に会社にきて、帰りは最後までいるのが僕の日課だった。

『仕事終わったから寄っていい?』との連絡が入り、彼女を待つことにした。

無論、職場が近いので彼女はすぐに着いた。


『何をあずかってきたの?』との問いに、僕は正直に嘘で呼び出した事を誤り、プレゼントを

渡す過程を話した。

彼女はその話を聞いて驚きと動揺を隠せずにいた。それはそうだろう、僕が嘘をついて読んだのだから。


そこからは正直に素直な気持ちを話した。あの時、とても後悔していた事。

その後ずっと気になっていた事。

再会して、やりとりをして、今の君をまた好きになった事。

どうしたいわけじゃない、こんな風にやり取りをして、たまにほんの少しでいいから

会って、話が出来れば僕は満足だから…と。


彼女はとても困惑していた。プレゼントも受け取れないよ!と言っていたが半ば強引に渡した。

帰りに捨てるなりしても構わないから、これは僕のエゴだからと伝えて。


翌日、彼女に朝のLINEをしたら、未だに困惑していてパニックになっていると言われた。

突然言われればそうなるだろうな。と第三者的な見解をした。

そして、このまま君とLINEをし続ける事は家族への裏切りなんじゃないかと悩んでいた。

『君との毎日のLINEは凄く楽しいよ?平凡な毎日を送ってきたから、久々に再会して、お互いの今の現状を話して、君の今の立場や行動をみて、とても刺激されてる自分がいるんだ』

『正直、こうやって話が出来て嬉しかった。でも、君の気持ちを知ってしまったら…私は普通に接する事できなくなるじゃん!!!』

彼女はそう言った。それに対して僕はこう答えた。

『急にそんな事言われたらびっくりして、困惑するよね、それについてはごめんね。でも、僕は君に気持ちを伝えて後悔はしていないし、これからも君とのやりとりを続けたい。無理に何も求めないから。こうやって話が出来れば僕はそれで幸せだから』


彼女は困惑しながらも、その日からも毎日LINEのやりとりをしてくれた。

でも、時々『やっぱりLINEやめよ?お互いの為にも。私が君を本気で好きになってしまったらどうするの?駄目だよ、そんなの。。。』

『君には申し訳ないけど、やめれなよ。僕にとってこのやり取りが既に日常の一部になっているから。やめれるならとっくにやめているよ。』


そんな会話が1~2ヵ月のうちに10回程続いた。


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