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第漆幕 ~足利大和守義秋~

興福寺


俺は万吉に事情を聞いた


「万吉、どういう事だ?」


「何がですか?」


「恍けるな、何故ここに居る?」


「貴方に仕える為にですが? それが何か?」


「な!」


「公方様からです『還俗しろ』と」




==================================


興福寺別当室


「ふむ、そういう事になったか。」


「ははっ」


「少し展開が早いのう、まあ、しかしそういう命を受けたならば謹んで受けねばならんのう、いやはや、後10年は無いと踏んでいたのじゃが」


「別当、覚慶様、細川様がお越しです。」


「隣部屋に通してくれ、さてお主も引き続き頼むぞ」


「ははっ」


(伊賀者はやはり凄いのう)



==================================


隣部屋


別当が入ってきた


「覚慶様、何用じゃ?」


「別当、話がある」


「ふむ、大方予想はできるが、何かの」


「還俗させて欲しい」




その後、何の困難もなく俺の還俗は行われた


(手際が良すぎる、別当、これを見越していたのか?)



「千歳丸、先代からです『正五位上 大和守に任官』そして公方様から『元服がまだだと思う、烏帽子を取りたいがそういう訳にもいかない、兼継に話は通したから彼に取って貰え、名は父上と考えた【義秋】だ、目の前で祝えないが、おめでとう』との事です」


「大和守だと?!」


「はい」


「いくら何でも……」


「それと槇島城を与えるとの事です」


「父上と兄上は何を考えているのだ!」


「一言、公方様は『父を頼む』と」


「……兄上」


「先代様は『菊童丸の予備ということは肝に銘じておけ』と」


「父上……」


「まあ、そう言っている先代の手が震えていたのも何かの間違いでしょう」


(万吉の奴……)


「そして、槇島城代の幕府奉公衆、真木島輝元以下を与力として与えるとのことです、総領約5万石との事」


「兄上……そういうことですか」




============================


さてさて、義秋は分かったでしょうか?


これはあなたを餌とした大きな罠であることを


わかってもらってなければ残念ですが弟は死ぬでしょうが……


大丈夫でしょう、あの者ならこの意図に気づくはずです


急な環俗、叙任、任命


幕臣となると言ったお前の覚悟見せてもらうぞ!

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