第陸幕 ~江口の戦い~
前話の最後に事実関係の矛盾があったので訂正しました
6月24日
12日に起こった江口城合戦が三好筑前守の勝利で終わった
この戦いは三筑(三好筑前守)と三好宗三(三好越後守政長)との間に起こった戦いである。
三好宗三は細川政権の中枢にいた人物であり、既に謀反と言われていた三筑と細川右京大夫との決別は決定的になった
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旧二条城
「話があると聞いた、何用だ右京大夫」
「三筑が、越後守を打ち破ったと伝達がありました。」
「ほう」
「さすれば、公方様に朽木谷に移っていただきたく」
「しかし、右京大夫、我が朽木谷へ移る必要はあるのか? 三筑が我を排除せずに迎えるやもしれぬぞ」
「甘いですぞ! 公方様はすでに我々方とみられておられます!」
「だがな、右京大夫、将軍家が京を離れるなどあってはならんのだ」
「しかし!」
「すこしいいか?」
「先代様?」
「儂が京へ残ろう、東山に城を建てる計画がある、それを始める」
「父上、それでは……」
「気にするでない、そちの言うように我らに刃を向けぬやもしれぬ」
「はい……」
「右京大夫、公方様を頼んだ」
「はは!」
「よもや、儂があの右京大夫に頼みごとをするようになるとはな」
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興福寺
「覚慶様! 覚慶様はどちらですか!」
「ここだ、どうした」
「細川方惨敗! 管領は公方様を伴い近江の国へ逃れたとのこと!」
「そうか……」
「なお、先代公方様は東山慈照寺へ入られました!」
「父上が? いや、なんでもない」
「そして、覚慶様にお目通りを願う者が」
「いや、確認なんていりませんよ」
その僧のうしろにはあいつがいた
そう、万吉、細川藤孝が