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第肆幕 ~足利義輝~

兄の義輝は茶室で待っていた


「兄上、お久しゅうございます、お元気そうで何よりです」


「千歳丸も元気そうだな」


「ええ、向こうでは良くして貰っていますので」


「父上が仰っていたのだが、お前には辛い思いをさせてしまったと」


「私も少しは成長して周りが見えるようになりました、将軍家に私達を養う余裕が無かったこと、本来なら口減らしされても可笑しくない状況なのに、ここまで生きてこれた事に寧ろ父上の愛を感じます」


「千歳丸…変わったな」


「そうでしょうか? 先程、万吉には全く変わってないと言われましたが」


「本質は変わっていないのだろう、それは分かる、しかし、意識が変わったと言うべきかそんな感じがする」


「それは……」


「それに、私も無能では無い、千歳丸、言いたい事があるのであろう?」


「兄上……」


「父上もそのうちやって来よう、父に聞かれたく無いのではないのか?」


(流石将軍になる奴は違うな、人を見極める事が一番大切な立場では有るから当然といえば当然、それに実際父が存命中に譲位されている事実を鑑みても分かる)


「私は、武士になりたいです」







===================================


さてさて、先程の千歳丸の話には驚きました


まさか還俗して、武士になりたいと


しかし、私も言いましたが、それは危険な賭けですよ


まあ、もし成功したなら私は千歳丸に仕えたいですが


しかし、変わりませんねあの方は


思い立ったらすぐ行動、もう少し考えて行動してほしいものです


なるようになるでしょう



===================================



「武士にか」


「はい」


「それが与える弊害は考えたのか?」


「一応は」


「言ってみよ」


「兄上に将軍位を狙っていると思われる事、周囲の大名が私を使って傀儡政権を作る可能性、後は私の暗殺の可能性などでしょうか」


「……それだけわかっていて尚武士にか?」


「すぐではありませんので」


「どういう意味だ?」


「元服までは寺にいます」


「そうか、考えておく」


「一つだけ」


「何だ?」


「私は将軍には興味は無いので」


私は(. .)か」


「はい」


「ははは!」


「兄上?」


「何があった?」


「え?」


「お主、千歳丸か?」


「どういう意味ですか?」


「ははは、よい、今はな」


「?」


「菊童丸、入るぞ」

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