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第壱幕間 ~服部氏~
時を少し遡り、伊賀制圧の直前の出来事である
伊賀千賀地氏城にて
「長、全員を集めました」
「ご苦労、さて、皆よいか?」
「「「はは」」」
千賀地氏城は千賀地氏の居城である
そしてその城主の名は服部半三保長だった
千賀地氏は服部氏の別の氏でもある
所説あるが、足利氏に仕えていた時に氏を千賀地氏にしていた、また逆に足利氏から離れ伊賀に戻った際に千賀地氏を称したなどあるが、後世には服部氏として生きていく家である
「皆、もうわかっていると思うが……」
「長、準備は整っております」
「さすが我の部下達だな」
「行先は?」
「以前世話になった松平の殿からもしもの時は頼れという言質はとっておるからな、三河だ」
「では大湊に使いを送ります」
一人の男の姿が消えた
「私は松平の当主へ挨拶へ行きます」
一人の女が消えた
「儂は、廃村を探してくるわい」
一人の翁が消えた
「道中の兵糧は任せておき」
一人の媼が消えた
「さて、我らも行くぞ」
「「「はは!」」」
伊賀国国人衆筆頭、伊賀三上忍家の名を冠する服部氏
その去り方はとても美しかった
二日後
「……保長め、正気か」
「丹波様、ここは……」
「かつての保長の本拠地だ」
「………」
その跡地には、家の茅葺一本も残ってなかった




