ep3. Advance the top of the strongest
「ビックリしたよ。都大会で豊島さんが負けるとこ、初めて見たの。」
・・・普通のマンガや小説ならええっ!?とか思うんだろうけど
将棋歴30分の俺には何も感じられるものがない。
まあ、その無我高校の1年生が豊島より強かったってことだろ?
それの何がおかしいんだよ。
と言いたい気持ちはあったが、黙っておいた。
「千葉、明日も一局頼むぞ。」
豊島が俺に呟く。
「は、はぁ・・・」
変に期待されてしまったな。
まあ、この時空を歪ませる能力のおかげで裏切ることにはならないけど。
-1か月後-
「よーしっ!俺の勝ち!」
1か月間、何十回も豊島と将棋をしてきた。
全試合全部俺の勝ちだ。
しかし、何回もやるうちに自分でも打ち方が少しずつわかってきたような気がする。
「お前はやはり強いな。無我のあの1年とまともに渡り合えるかもしれないな。」
豊島は絶賛。ズルしててごめんなさい。
「実はな、来週から全国大会を賭けた大会が始まる。」
「ら、来週ですか・・・。」
まあ優勝するだろうな。
「そこで、無我の1年生がなんとNHK将棋トーナメントに出演したんだ。」
「はあ!?プロ棋士ってことですか?」
プロ棋士に俺のネット将棋が通用するのか?
いやでも電王なんとかがプロ棋士に勝ったとか聞くし・・・
どうなんだろう。
「その1年生のVTRがあるんだ、見てくれ。」
----VTR----
「高校生棋士の横山 航さんです!次は羽生さんとの戦いですがどう思いますか?」
「羽生さん?強いよね。序盤中盤終盤、隙が無いと思うよ。だけど、俺は負けないよ。」
「本局への意気込みをどうぞ」
「えーっ、こまt、駒たちが躍動する俺の将棋を皆さんに見せたいね。」
なんか聞いたことのあるインタビューを終えて、羽生さんVS横山の試合が始まった。
「・・・・!!!???」
驚愕した。まるで相手の出方が完全にわかるかのようにかわしている。
開始10分で羽生さんに完全に勝ってしまったのだ。
「・・・これが横山の強さだ。」
「知らなかった・・・。こんなにも強い人なんて・・・。」
柴岡も驚いているようだ。
「でも、勝てない訳じゃないですよね。同じ人間だし。」
・・・っと、まあ強がってみたが
こんなに強ければ歯が立たないだろうなあ・・・。
-------将棋大会当日----------
「順当にいけば、俺は決勝で千葉か横山のどちらかか。」
組み合わせをみんなで見ている。
俺は順当に進めば、準決勝で横山と当たる。
この大会は上位2位までが全国大会へ進める。
「さて、あと10分で1回戦が始まるぞ。幸運を祈る!」
「頑張りましょうね豊島さん!」
・・・・・・・・
「いえーい!ベスト4進出したよ!」
柴岡が鼻高々に話す。
こいつもなかなか強かったんだな。
「・・・なんとか俺もベスト4までは残ったよ。」
豊島もなんとか残ったようだ。
ちなみに俺はネットをうまく駆使してベスト4に残った。
そして・・・当然ながら。
「横山くん!ベスト4進出おめでとう!」
「当然ですよ!」
アナウンサーに囲まれた横山。
横山航もベスト4に進出。
ベスト4に進出するまで全ての試合を3分以内で終わらせた。
準決勝は明日行われる。
豊島VS柴岡
俺VS横山
・・・・・・・・・・
「ついに、準決勝か。」
豊島が俺に寄り添い、つぶやく
「まあ、俺はここで負けるかもしれませんけど頑張ってくださいね!」
俺はそう言うしかない。
だってわかっている。どうせ横山には勝てないことを・・・。
さて対局の時間だ。会場へ急がねば。
つづく




