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初めに
森の声に耳を澄ませると、妖精達の歌い声が聞こえてくる。
「木と木の手を繋ごう。みんな一緒に仲良く、楽しく。手遅れるになる前に」
富士の樹海周辺はまだ私達の知らない不思議な世界がいっぱいある。
これはある私の友人が冒険を趣味としている知人から聞いた話だという。
富士樹海周辺にある古い平屋が建っており、老夫婦が住んでいた。
年金生活をしていた夫の三郎と妻の幸代はスローライフで自然に囲まれながら幸せな生活を送っていた。幸代は腰が悪くなかなか外に出れなかったが、三郎は六十五歳でも元気で樹海周辺をウォーキングするのが日課だった。一ケ月前に二人の兄、一郎、二郎が樹海で行方不明になってから、なんとか二人を見つけ出したいと心に決め、樹海を散策するようになったのだ。兄達がいなくなったのはつい一カ月前の晩のことであった。




