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九十九の送り火
青空の上の紅い道
それは明るく暗く
どこ行く羽のよう
ともる階段を上がりて行く
天頂は見えずにさ迷うだけの道
九十九がともすこの果てに
永久の鐘は鳴り響く
名も亡き者よ
安らかに眠れ
名が在る者よ
安らかに進め
雲の上まで続く明かりの道を
九十九は今日も歩き続ける
天高く続くこの道を
天にたどり着くことないこの道に
九十九の送り火はともり散る
生ける者よ
森羅万象に
死した者よ
森羅万象へ
生者は下り
死者は登る
暗き道は現世へと
輝く道は来世へと
九十九の送り火は未だに消えぬ
永久にともる魂の光
花束を手向けて願っておくれ
死者たちへ送るこの明かり




