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君宛ての「ようこそ!」

 

「おはよう」と君にやっと言えたよ。

ようこそ、僕らの家へ。

土足で上がっても大丈夫だよ。

ほら、早く! 皆が君を待っている。


どうしたの? そんなに怖がって。

みんな君に会いたいだけなんだよ。

暗闇のドアを開けて。ほら、そこにいるよ。

君が蔑ろにした皆が待ち望んでいる。


これは報いか? それとも後悔か?

どっちも違うよ。

そんなものは始めからない。

だって君が待ち望んでいたことだ。


崩れた顔で笑みを浮かべて。

壊れた腕で手を振るって。

みんな健気だろ? 君も早く!

こっち側に来てくれよ。


「さよなら」なんてまだ言わせない。

今日は眠ることもないだろう。

溶けた絵の具を身体に塗りたくる。

ほら、明るくなった。

暗闇の中を照らす僕らの光!


鬼ごっこでもかくれんぼでもいいよ。

夜はまだ始まったばかりだ。

怖がるくらいなら楽しもうよ。

誰だって怖いのは慣れっこだからさ。


痛みには慣れたよ。君のおかげだ。

憎んだこともあったけど、今は君を許している。

もちろんみんなもだよ。

たからさ、笑ってよ。頬が裂けるくらい!


命乞いなんていらない。

言い訳なんて聞いてない。

君を責めるつもりもない。

ただこっちに来て。手をつないで。

僕らと一緒にいてよ。


これは報いか? それとも後悔か?

どっちも違うよ。

そんなものは始めからない。

だって君が待ち望んでいたことだ。


崩れた顔で笑みを浮かべて。

壊れた腕で手を振るって。

みんな健気だろ? 君も早く!

こっち側に来てくれよ!


ドアを叩く音。君のいる場所。

見つけたよ。でもまだ君の前には行かない。


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