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荒野に焦げ付いて

 

砂塵を食うほど 窪んでいく瞳

裂けていく手が風を掻き分ける

赫灼に焚かれる背中 灼ける痛みを凌いで

目の前の妄執に手を伸ばす


焦げ付いた異物 埋もれていく余命

歩む度に何も遺せなくなる

風塵に奪われていく血潮

地面に溢れた泥濘が乾いていく


立ち止まれない 何度も呟く

瞳の中の焔に遺志を焚べて

心身から削げ落ちた過去には

帰れない 握る痛みが増していく


下は向かない 瞼が閉じても

行く先を見誤らない 潰れた視界でも

進み続けられると信じている

荒野の果てが待ち望んでいる


砂煙を吸い込んで 朽ちていく眼

涸れた指先で風に爪を立てる

赤熱に明かされた足元 軋む傷みを食い縛って

遠くに去った幻想に手を伸ばす


焼き付いた生き方 風化していく残名

求めるほど血反吐を吐き捨てて

剥き出しになる記憶の残滓

地面に突き立った裸骨が折れていく


振り返るな 立ち止まってもなお

焦げ堕ちても魂は熱を帯びる

心身を捲るほど吹き荒ぶ未来へ

行くのだ 黒血に塗れた手を握りしめて


前を向け 霞む視界を見つめながら

行く先を双眸が睨む 幽かな閃光の先

追い続けられると信じてまだ

荒野の果てが待ち望んでいる

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