リトルスターター
失敗ばかり 頭を抱えて
いつの間にか逃げ腰になった
前も見れないほど歪んた視界を
歯を食いしばりながら見つめて
「もっとこうなればいいのに」
口癖のように呟いた
何かを変えようとする度に
何も変えれないどころか悪化して
擦りむいた傷が見せつけのようになって
誰からも相手をされなくなった
いつまでも特別に固執して
普通ですらなくなっているのに
気付かない振りをして顔を上げた
身を縛る痛みを我慢して笑って
取りこぼしては意味がないでしょ?
理想ばかりを追い求め過ぎて
足元の石ころに躓いて転んだ
やっと止まれたような気がして
立ち上がろうとする一歩手前で
ようやくスタートラインが見えた
屁理屈ばかり 何もせずに
いつの間にか弱気になって
前も見れないほどひび割れた視界を
見ることさえ怖くなっていた
空回りすることしか出来ない
些細な成功も過去に全て揉み消された
一歩踏み出す努力もしなくなって
怖がってばかり 聞き逃したピストル音
いつまでも特別に固執して
普通ですらなくなっているのに
気付いていない振りをして誤魔化して
呑み込んだ言葉で本音を吐いて
取りこぼしたら意味も生じないでしょ?
理想の前の現実に辿り着いて
足元をやっと見下ろした
まだ始まってすらいないこと
気が付いて もう一度
ようやくスタートラインに立てた