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我等に呪在りて

 

我等は何を呪うのか

大衆の中に放り込まれ

取り残された意味だけが価値を残すのか

虚飾に塗れた愚者が嘲笑う

無価値に至る通りを吐き捨てて

我等の手を引き摺った


汚泥を擦り付けて真実を剥がす

亡霊が覗き込んで満足気に頷く

冒涜を語り部は悲劇だと謳い

群がる傀儡に食い尽くされて果てた

その亡骸を誰が憂いるのか


忘却さえ去った後に晒された残滓

形骸さえ朽ち果て見るも虚しく

哀れな先駆者に眠りはない

その悲哀を誰が晴らそうと言うのか

仮面を打ち付けた偽善者が嘯く

掘り出された眼孔が空虚を見上げた


投げ捨てられた伽藍洞の底で

怨嗟を募らせ虚空を睥睨する

その上から彼方者に踏み付けられる

声にすらない醜悪な嗚咽を漏らし

現実からも踏み躙られて成れ果てた


憎悪の搾り滓すら惨めに啜られ

目に見えぬ罵倒が影を成す

無価値を掻き集めた生命にも劣る残骸を

畏れる事なかれと大衆は目を背ける

侮蔑を押し付けてその上に座った彼等を

誰が気付けようか


為すべきことさえも奪われて

打ち捨てられた十の抜け殻

意味もなくなった復讐を呟いて

泥濘に沈んていく

刳り抜かれた髑髏が嘲笑う

我等は何に呪われたのか

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