かこいろモーメント
色褪せていく景色に思いを馳せるほど
僕らはきっと長く生きられない
それなら世界から目を背けて逃げようか
迷い込んでいく未来に確かな足跡を残して
遠い時間の先で君と一緒に笑おう
壊れていく視界がまだ色付いている
身体を打ち付ける雨音 その先の青空が
痛いほど眩しいから求めてしまう
帰る場所を見失ってなお 進み続ける
もう怖いものはないから 震えた声で呟いた
時間に取られていくものほど 色濃く残っていく
後悔 懺悔 僕の心に禍根を残して消えていく
それでもって何度も見上げた空
目指すべき場所はそこにあるから 生きていく
心が枯れるまで 心をこぼして生きていく
大切なものほどなくしてしまって
大事な人ほど早くに忘れてしまって
意味もなく涙をこぼした
確かに側にあったもの 隣にいた人達のこと
いつまで覚えていられるだろう
いつまで一緒に明日まで持っていけるだろう
崩れていく過去の前にいくつ取り戻せたら
「幸せだった」と言えるかな
崩れ去って景色もその裏に見える光
土砂降りの雨も乾いて 痛いほど眩しい青空
羨ましがるように見つめて 手を伸ばして
擦り切れた指先でその果てを掴み取る
もう行ってしまったから 嗄れた声で呟いた
今さら思い出していくもの 色褪せて残った
懐古 願かけ 僕の心はいつしか虚ろって
それでも隙間を満たすように流れていく閃光
目指した場所はもう目の前に 蜃気楼の階段を登って
生きていく 生きている
心が枯れる前に 心をこぼして生きていく