表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
634/660

幸せの抜け殻

 

幸福を見つけるたびに

心が一つ曇っていく

現実に不満があるわけでも

明日に不安があるわけでもないのに

何かが物足りないような

何か抜け落ちているような気がする

理由のわかない空白が穴を開けたまま

夕日が堕ちていくのを眺めていた


自分にあった(きのう)を見ていた

それ相応に叶った未来(きょう)を生きる

少しくらい挫折はあった

人並みには傷付いてきただろう

成長はしていく でも老いていく度に

名前も正体も分からないものをずっと

足元に溢しているような感覚がまとまりつく


形もないものに囚われ続けている

気になっては探して

見つからないと繰り返して

見えないものにいつしか固執する

一歩進む度にそれが気になって振り返る

後ろ髪を引っ張られているような

でも背中を強く押されるように戻れない

矛盾が何かを蝕んで 言い表せない感情が

目の前に覆いかぶさっている


言いようのない感覚を抱えながら

なんとなくそれを探すように生きていく

何もない空白を広げたまま

憂鬱な幸せを避けるように何かを忘れながら

また一つため息をこぼしていた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ