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結末に死ぬときに

 

思い出は壊れていくものさと

寂しげに笑っていた

背中越しに見えた白い陽炎

寒風にさらわれて

青い光の中へ消えていく


轍の跡もなくなった

全ては夢の出来事のように

何も変わらない日常

でも拭えなくなった違和感

身体の何処に突き刺さったままだった


歩く度に淋しく思う

玄関のドアを開ける度に期待する

あれはきっと幻だったと

覆せない過去に希望を持って

暮明の先の現実を見つける


枯れるほど泣いたんだ

受け入れてはいるんだ

それでも声までは消せなかった

思い出に壊れていくようだ

浮かべた笑みは硬かった


月日は流れていく 荒んでいくように

それでも道も踏み外さずに正しいここにいる

色褪せた思い出ばかりが脳裏に焼き付いて

飛び出したくても足枷に それは呪いのように

深く関節に突き刺さっていた


口に出せなかった言葉を今さら呟いて

一つの区切りと出来ようか

いつか来る結末に死ぬときに

願わくば泣く人がいないように

一人の部屋へ帰っていった

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