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見える世界(ありかた)

 

天に昇ることのない私は

密かに木陰からこの世界を見続ける


世界とは何とぞ?

そんな疑問を考える続ける人たちは

まるでかつての私のようだ


世界の中心とは何か

世界の果てとは何か

見つかることのない表れを

みんな探しがっているのだろうか


かつて私が見た世界は

小さくて大きくて

眩しいほどに輝いていた

手を伸ばしても届かない空は

さ迷うことなく光を運ぶ


書に記されていた最後の言葉

今では霞がかって朧気に

そこにあったのは無惨な現実と

代わりに手にした無意味な力

私の見たひとつの世界(ありかた)


鮮明に浮かび上がる記憶は

終わることなく私の心を刻む

それが世界を見た代償なのだろうか


失くしてまで何かを得ることは

大罪に例えれば傲慢か貪欲か

天使もどき風情がいえことじゃない


人はその短い狭間の中で

世界を見ることは出来るのだろうか

世界を見つけることが可能なのだろうか

その疑問はかつての私への罪滅ぼし


世界を求める人たちへ

あなたたちの目に映る世界は

きっと残酷なまでに美しいのでしょう

失ってまで得たものなのですから


私は本を閉じて

木陰から出ていった



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