表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
617/660

夕暮れの幸せを

 

赤信号のとき止まった一瞬

ふと見上げた茜色の空

焦がすように降り注ぐ色が

眩しくて 少し切なくて


綺麗だと呟く暇もないから

ただその一瞬を眼に焼き付ける

やがて走り出した閃光は

背後(うしろ)へと走り去っていく


青く点滅する進む先

焦げ付いた光が影を色濃く映す

走り抜いていく足元の影が

早く早くと子どものように


轍の音が酷く耳に刺さる

その後の静寂が少し愛おしい

浴びるほどの喧騒も今は

ただ夕暮れの中の影法師


歩く度一つ一つ コマ撮り見たいに

前から横へ通り過ぎる孤独感

それは寂しいものじゃなく

ちょっとだけ幸せな一人の時間


歩いていくノスタルジック

覚めていく夕焼けの中で

一瞬一瞬が朱く色づいて

子どもの影が手を振っている


追い越し追い越され歩いていく

鬼ごっこはいつまで続くだろう

緩んだ頬が少し気恥ずかしく

ちょっとだけ早歩き


後ろを追うように街灯がつき始め

星影のさざ波が揺れ動く

朱く澄んでいく地平線

最後まで色濃く今日を焦がした


やがて夜が訪れるその前に

玄関のドアを開けて ただいまと

私が入るよりも早く入った

かつての面影 廊下のライトに消えていく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ