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焦げた金の空

 

青空を朱く燃やした

真昼の星は消えて

夕闇に至るその瞬間(とき)

そよ風がやっと囁いた

既に過ぎたものより


心を満たした情景も

淋しさに捲れた風景も

茜色の中に捨てて

残ったものを数える内に

世界はまた堕ちてきた


悩むことも

考えることも

懐かしむことさえも出来ない

時間が喰らう化け物たち

零れた涙さえも溶けて

焦げていく足元の影


独りここに

声を荒げても

そよ風がさらっていく

削れた岩が嘆いた

その声さえも音になく


もしもを求めても

もしかしてを願っても

残照が視界を埋め尽くす

あった筈の景色さえ暗闇の中へ

夜が足元には広がっていく


地平の向こう側

朱く燃えた空も堕ちた

燃え尽きた妄想と共に

三度手を上げて

零れたのは焦げた金

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