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父は子を分からず、子は父を知らず

 

背中を見て育ったのに

子は父を分からず

赤の他人のように

伸ばした手を振り払う


父は子を分からず

理想とは程遠い

我が子ながら他人の子のように

接しているように


背中合わせで育った

不揃いの足跡を消した

近くにいたはずなのに

もう遠く関係がないように


ケンカすらケンカにならず

ただ憎しみを

恨みをぶつけ合い苛立ち

一方的な言葉が続いていく


手のひらの大きさ憧れた

それも昔の話のように

古い考えだと否定する

若さは愚かさを重ねて


小さい手を離した

望んだ未来は来ないと知って

見守ることしかしないと

老いは目をつむる


理想も現実も既に過ぎたもの

固執する背中合わせの繋がり

影を踏むように足元を見た

その後を追(老)いたくないと


まどろむ時間まで少し

幸せだった幼い時間は終わる

目が覚めたときそこにあるのは

二人が望んだ夜明けだったのか


振り払った手はもう握らない

振り返った背中はもう見ない

家族という枷はもういらない

ただ二人が見た未来のまま


いつか終わったときに泣けたら

鳥は羽ばたいてくれるだろう

それまでの間なまだ背中合わせ

交わらない空を見る

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