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冒険の後の鍵
差し伸べられた手を掴んで
掴んだ遥かな青い空の下
絵本でも読んだことしかなかった
誰も知らない物語があった
竜も姫もいなかったけど
確かにあった冒険と希望
立ち塞がる困難さえも
僕らにとってはただの思い出話
小さな真実が世界を開いた
立ち尽くすこともあったけれど
新しい友だとと積み重ねた力
鍵はいつも自分達が持っている
夕暮れになる前に語りつくそう
一夏の思い出と旅立ちを
綴られていく物語にエピローグはない
まだ思い出話の中だから
かけがえのない出会いもあった
その度に別れに涙を
通り過ぎていった仲間たち
今は一人で旅の途中
誰かの足跡を追うことも
共に手を掴んだあの日々も
変えようのない過去を乗り越えて
私がいる今に繋がった
ファンタジーでもない現実の中
歴史に挑む勇気と未來の先へ
歩み始めた獣道はもう道しるべ
知られることのない冒険の今
君たちと紡いだ物語をまだ
私は続けていこう
いつかまた会えたとき笑う会うために
腰にぶら下げた鍵が輝いた