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適当ではなく、無駄に生きているのなら、それは素晴らしいことなのだろうか。

 

目が覚めた午後5時

窓辺から薄闇が差し込んで

時計の針に合わせるように

少しずつ部屋を呑む


ため息まじりのおはようは

過ぎ去ったアラームにかき消された

気だるい身体お越しふらふらと

ドアを開けた先の暗闇へ


何もない1日を始める

後数時間で終わる今日をどう生きようか

開けた缶コーヒーは苦くて

思わず苦笑いを浮かべた


空の冷蔵庫残されたビール

買い出しに玄関を開く

吹き抜ける冷たい風

雨の跡が色濃く残っていた


車の音

たまに聞こえる人の声

街の喧騒は疎らに

地平へと堕ちていく


意味もなく空を見上げ

見えた星の数を数えよう

数えることも出来ないのに

無意味な一時が積み重なる


行けの信号機

早まることなかれと

止まれの赤を待つ

電柱から伸びる影が足元に潜り込む


夢もない暗闇に喰われた太陽

見ることもなく溶けていく景色

時計の針はぐるぐる回る

世界は誰かを残して去っていく


適当に生きることなく

無駄に生きていく

それが足音

ため息と共に滲み付き


在るはずのない現実を

少しは見てもいいじゃないか

店の明かりが少し

歪に見えていた

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