パノラマセカイ
気付かずに過ぎていった
いくつものメロディーを
君はいつからか歌っていた
ありふれた音の中に埋もれていた
君をいつの間にか見つけていたんだ
どこかで聞き流した曲
流行りのものでもない
少し古い曲だった
それは頭の片隅に消えていく
それからまたいつの日か
君の声がまた聞きたくなって
世界の狭間に埋もれていた
聞いたこともないメロディーに
知らず知らずに手を伸ばして
君がその手を引っ張った
姿形もない世界に誘われて
僕の世界に色彩が滲んでいく
知らなかった世界が鮮やかに
その側を君の声が通り去る
それは道しるべのように
色んな所に別れていく
沢山の人の声と音
それはきっと素敵な旅路だ
君の後を追う度に
沢山の記憶と想いを知っていく
一つ一つが折り重なって
世界にセカイが溢れていく
イヤホンから漏れだす音たちが
僕らのパノラマに色を付けていく
姿形のない君を
追い掛けることしか出来ないけれど
その後に続く景色はきっと
少しだけ鮮やかで綺麗な
僕だけのセカイになっていく
きっとこれからもすれ違うこと
その度に見知らぬパノラマを見つけ出す
沢山の君が通り過ぎていく
その音を一つでも聞き取れたら
またセカイは広がっていくだろうか




