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梅雨喰い

 

雲を喰い

雨を呑む

しきりに降る霧よ

いつの日を隠すのか


雫を聞く

流れていくままに

傘の上から

落ちていくのは

朝焼けの残骸で


灰色に濡れていく

空も見えぬまま

温かい風にさらわれて

行き着いた今日の果て

水面も沈むなら

それはきっと

砕けた鏡面の欠片


散っていく

環を連ねて

起き上がった喉に

湿った想いが貼り付いて

声は空に呑まれて


雲を喰い

雨を呑む

降り続く瑠璃色の

轍が跳ねた先

透明は壊れていた


止むことのない暮れの下

差した傘は手からこぼれた

いつの間にか塗れて

乾かないのはきっと

空が晴れていたから

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