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人魚が見上げた青

 

人魚が見上げたのは

空か水面か

青き日差しに囚われて

まどろむような温かさの中

手をかざした


真上から覗く翼の瞳よ

貴方はこの先を知っていますか?

手を伸ばして抱き締める

夢でも見たように目をつむる

翼の瞳は閉じられて

暗闇に堕ちていく


堕ちていくほど光はなく

青白い明かりが道標

冷たさだけが残っていく

果てない暗闇に

呑み込まれていくように

また光が遠退いていく


目覚めは仄かに

霞む視界の先

淵を照らした光を見て

昇る雪を遡る

あの光に触れたなら

この暗闇を抜け出すことが

出来るのかな


手に抱いたものは溶けていた

また独り

静寂の淵へ堕ちていく

またいつかを語る

その手に掴んでいた羽根を

手放して


浮いては沈む泡のよう

跳べど

飛び出せる魚はいない

揺蕩う静寂の中

人魚が見上げたのは

空か水面か

それとも夢だったのか

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