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そして声は扉を開けて
呟いた
小さな音を
叫んだ
大きな声で
ありふれた景色の中に
転がっていたメロディーを
歌った
街の喧騒と共に
紡いだ
誰かの吐息と共に
夜明けと共に溶けていく
頭の中の原風景
白昼夢のように動き出した視界
誰かの手を握る
その先の光へ
抜け出せればきっと
そこから新しい世界が見える
積み重なる音符と
弾けていった言葉たち
今なお鳴り止まない
いつかを夢見て終わっても
きっと残るその音を
その声が
いつか誰かの世界を鮮やかに
差しのべた手は青く
誰かの未来を繋ぐから




