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蒼いまま朽ちていく
はにかんだ世界が手を振った
堕ちていく景色
果ても見えずに
灰色の雲が目の前を通り過ぎた
笑みを浮かべた記憶が手を掴んだ
沈んでいく光景
遥か遠く薄れて
蒼く淀む空が口を開いて待っている
どうしようもない感情を口にして
地上に飛んでいく鳥を眺めた
戻ることもないからいいや
裏返った世界に手を振った
飛べない
翼もないから堕ちていく
手を離した瞬間
茜色は滲んで
あの暗闇の中にも入り込めないから
星の海にでも沈んでいこうか
風と共に溶けていく
雲の切れ間
全て忘れられるのならばこのまま
逃げて
目を閉じて
消えていこう
蒼く淀んだ世界に朽ちていく




