557/660
青く静かに
視界が凍てつくように
身体を突き刺す青の静けさ
影に差し込む朝焼けでも
冷たく灰色に淀み
夜明けの目覚めを待つ
暗がりから白く昇る
音を立てて崩れる吐息
街はまだ寂しさに埋もれて
カラスの鳴き声が響く
歩く
青く
微かな景色の中
通り過ぎていく滲む轍よ
つかの間の風は生暖かく
身体を呑み込む霞に移ろう
見上げる
空を高く茜色の果て
星よ
星よと
手を伸ばせば
手のひらからこぼれた
仄かな薫り
瞬きをするごとに変わる
朝焼けの美しさよ
夜明けの鐘は遠く
ただ遅延の安寧を
西に
目の前を覆う蒼き雲よ
何れかは陽光の霞へ
朝焼けの終わりを覗く
寒き今日もまた
青く静かに目覚めを待つ




