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オトナシコトバ
音を得ず
ただ徒に綴られる文字の羅列は
心を満たし
誰にも見られることのない
浅はかな夢を見る
大した理由もなく
消費していくように
空白を埋め尽くす
そこに価値もなく
明日が来ることを祈る
独り善がりな空想を
言葉に置き換えよう
詩にもなれない落書きを
何の思いもなく
頭の中から吐き出した
何れ忘れることよ
愚痴を溢すように
眼から文字を流す
何れ忘れるよ
この日に書いたことさえも
流行りのものさえも
模倣して書くだけ
それでも言葉が生まれるなら
きっと意味のあることだと
音が歪んだ言葉を口にして
本を閉じた




