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アグリー

 

弱いから君のせいにした

強い君が憎いから


同じところから歩き始めたのに

もう後ろ姿も見えなくて

そのくせ君は僕を待っている

「一緒に歩こうよ」

その言葉に何度救われたことか


手が届かないほど遠くにいるのに

何故か側にいてくれる気がして

そんな思いから滲み出たもの

醜い僕の笑顔


時間が経つに連れて大きくなっていく

歪んだ化け物 僕の化け物

いいよ もう 見捨ててくれよ

綻んだ笑顔が目の前を黒く塗り潰す

君の背中に僕の手は届かない


もう遠くに行って影も見えない

それでも君は僕を待っているって

いい加減にしてくれよ

投げた石も暗闇に消えた

言葉は呪いのまま積み重なる


辛い 悲しい 痛い 消えたい

耳障りのいい希死念慮を並べて

僕は君に傷つけられた被害者面

どうせもう何処にもいないだろ

突きつけた指先で撃ち抜いた


時間が溶けても残り続けた

歪んだ化け物 僕の本体

いいよ これで 救われる

君の背中を見つめて笑った

化け物は足元に大きな口を開けた


妬んで 憎んで 恨んで

後悔して 挫折して

それでも君はまだ笑っていた

届きもしない手を差し伸べて

お前はきっと偽善者だ


弱いから君のせいにしたんだ

強い君が羨ましかったから

だから僕は笑い続けるんだ


失敗した僕を成功した君は

きっと笑っているだろうから

化け物は口を閉じて嗤った

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