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クラヤミモノローグ
声を 声を かすれる程
夜空に向かって叫んだ
手を 手を 千切れる程
星空に向かって伸ばした
見えない 見えない
何も見つけられなくて
闇に閉ざされたんだ
すれ違う人影
通り過ぎる排気音
街灯は疎らに消えて
下った階段
上った暗闇
上も下も分からないまま
辿り着けないままだ
月影に惑わされて
同じ場所をぐるぐる回る
そんな明日に嫌気が差す
耳を 耳を 塞がる程
夜のカラスが泣きわめく
足を 足を 届かない程
暗闇の中に呑まれていた
鳴り止まないイヤーワーム
うるさいと蹴飛ばしたものほど
簡単に黒く染まったんだ
落ちていく視界
染まっていく世界
右も左も真夜中に喰われたんだ
探すことも出来ない
星影に踊らされて
昨日をぐるぐる繰り返す
そんな今日も嫌いになる
簡単に黒く染まれるほど
純粋でもないし
簡単に夜に落ちれるほど
諦めたくないし
それでも目の前に広がる
暗闇に嫌気が差す
辿り着けないのは
探しことも出来ないのは
足元だけ夜に呑まれて
動けない振りをした
今日が好きになれば
昨日も好きになれば
明日の夜が来ても
ずっと好きでいられるかな
同じ暗闇を
ずっと好きでいられるかな




