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A lost singing voice.#♪

 

ない

ありふれたものが

私にはない


音は聞こえる

メロディも

ハーモニーも

景色にあふれる音が

私を狂わせる


声が出ても

言葉を紡いでも

それは声にしかならない

思いも心も冷たく

ただ気持ちばかり動く

人形(にんげん)になっている


私がいる意味は何だろうか

音も聞こえなくなったら――

暗闇に立ち入る虚しさに

私は怯えて頭を振り続ける


声を

声を上げる

メロディーもハーモニーも

聞こえないようにして

私はただの人形(にんげん)だと

目を反らして

無音を見つめる


無意に連ねる明日を

生きるためだけに

有象無象に埋もれていく


音痴にすらなれない首に

一体いつ手を伸ばしたらいいのだろう


消える意味も見いだせず

本来の在り方とは違う

ねじ曲がった私の身体に

(うた)は降り注ぐ


現実の前に立ち尽くし

私はうつ向いて

絶ちきられた糸を探すように

朽ちるために生きている

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