表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
526/660

梅雨が鳴く

 

地を濡らす雨の音

静かに影に落ちていく

足跡に溜まった水面に映る

灰色の空を見下ろして

獣は道を行く


木々は緑々しく風に揺れ鳴り

川のせせらぎが染み

降るる雨粒の音色が交じり

人はこれを歌という

獣の耳にはどう聞こえるか

獣はあくびをして

林の奥へと消えていく


木々が揺れる音も

川のせせらぎも

雨粒が滴る音も

この世界にとってはありふれた

普通のことだろう


その普通なことでさえ

人間にとってはきっと

素敵なことなのだろう


今年もまた雨が降る

灰色の空から青色の

音が降り注ぐ

色褪せた世界も少しは

鮮やかに見えるだろうか


梅雨が鳴く

灰色の空を見下ろして

(わたし)も今は耳を傾けよう

いつに終わるか分からぬ

この世界が歌う音に


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ