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ヤミガシル

 

見られたくないため息をついて

窓辺のガラスをなぞった


午前一時の暗い部屋で

夜のしじまに溶けて

眠れない時計をぶら下げる

耳障りな音が頭を埋め尽くすから

手で作った銃音が響く


慣れもしない格好で

隠者のごとき演者を偽って

本当の声はもう届いているのに

叫びたいと闇夜に吠える


ヤミガシル

僕の弱さも情けなさも

都合のいい寝言を並べて

夢でも見ているように


ヤミガシル

僕の弱さも情けなさも

時計の針が示す明日に

また目を背けて


時計を見ることもやめて

適当に付けた目覚ましのアラーム

いっそ朝になってしまえば

どんな悪夢でもただの夢だと

ため息を付けたらよかったのにな


見慣れない影を追って

自分の靴で(かげ)を踏む

転んだ先に落ちた現実に

いつまでも僕は夢を見ている


ヤミガシル

僕のいらなさも虚しさも

自分勝手にざれ言を呟いて

眠る前の暗示のように


ヤミガシル

僕のいらなさも虚しさも

時計の針が壊れても

いつかは夜が晴れていくから


ヤミガシル

僕の心も言いたいことも

見えないように夜に隠して

ただ夢のことのように


ヤミガシル

僕の弱さも情けなさも

本当のことは誰も知らないで

やがて朝が夢に差し込んで


ヤミガシル

僕の虚しさもいらなさも

いつか手を伸ばして

光を掴んだ現実(ゆめ)を見て

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