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シャシンキロウ

 

仕舞われた一枚の写真に

写った昔の私

まだ何も知らなかった頃の

笑顔がただ眩しくて


笑顔も声も段々と小さくなって

微笑むことも少なくなったよ

写真越しの私に話す

あの頃に戻りたいよと

在りし日の記憶を手に取る


階段を昇っていく度に

世界は色褪せて

楽しかったことも出来なくなって

でも大人たちはそれが大人だって言う


自由に出来なかったからこそ

私たちは自由だったのかな

切り取られた世界に問いかける

答えなんて知っているはずなのに


聞きたくない言葉ばかりを繰り返して

本音も言えなくなってただ口を閉じて

息苦しいよ生きること

誰もいない部屋で記憶を握りしめて


年を重ねる度に自由になって

出来なかったことが出来て

でもその中に選択肢はないんだ

いつだって継ぎ接ぎだらけの世界の中で

色褪せていく


写真(かがみ)越しの私が微笑む

(みらい)は楽しいですか?」

ため息混じりに呟いた

「そこそこ。色々と大変ですけど」


誰しもが大きくなって

抱えきれない世界の中にいる

写真の中の自分のように

いつまでも綺麗にはいられない


蜃気楼のように消えていく

記憶の向こう側に

鏡合わせの私に伝えた


「          」

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