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クラヤミシンドローム#4
これが夢だったいいのにと
目を閉じて祈る
そしてまぶたを開く度に
覗く暗闇が現実を見せつける
逃げる場所もなく
ただ永遠と広がる暗闇の中で
まだ私は歩かなくてはならないのか
時間の針すら意味をなさない
孤独の中で
生きる糧も希望もなく
寒さに身を震わせて
死ぬように生きている
未来とは何か
暗闇に問いかける
答えるものもなく
それが答えだと
私の足元に伸びた影は
背中を指差してあざ笑う
ただゆらゆらと燃えている
この明かりだけが世界を照らせる
ランタンに火をくべる
淡く今にも消えてしまいそうな明かりを
私は頼りに歩くしかない
全てが止まってしまった世界は
これからどこに向かうのだろうか
争いもなく
協力もなく
未來もなく
ただ明日を向かえるために
暗闇の中で明かりを灯し続ける機械
それでも道から外れる勇気もなく
ただこの永遠に呑まれて
私は死者のように明日をさ迷う
この身が焦げるまで




