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さざ波の夜夢

 

かすかに聞こえてくる

その音は優しくて

嫌なことも忘れられるほど

夢中になれる音だった


子どもの頃

夜更かしに憧れていた

夜の世界には何があるのだろうか

不思議に満たされた心は

いつしか眠りについて

まどろみの中で夢を追う


朗らかな明かりで照らされていた景色は

気が付けば薄暗い光になって

夜更かしさえ当たり前に

子どもは大人に足跡も残らず

夢を見ることも忘れていて


あの音さえ聞こえなくなった

暗闇の中に積もる蜃気楼

消えない焦りと後悔は

頭の中でずっと溢れ続け


夢も見えなくなった

目を閉じてみる暗闇は寂しく

ただ大人になってしまったことを

独り言のように呟いて


薄れていく好奇心

消えていくあの日の心

さざ波を追いかけた夢はもう

どこか水平線の彼方へ消えた



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