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これからの終わりに
目覚まし時計の音と共に
部屋のカーテンを開けた
窓から差し込む朱色が
もう一人の僕を写し出す
願いの言葉と共に
僕は影の中に潜り込む
薄暗い路の途中
階段を下った先で
また暗闇が口を開けている
石でも投げ込んで
口を閉じれば静かになるか
その上を駆け抜ける
淀んだ静寂に
垂れる雫のように音を加えて
波立つ蜃気楼
その先には何もないと
誰かの手を掴んだ
明くる朝
来る暮れ
回る廻る世界の色が
鮮やかに朽ちていく
窓辺から差し込んだ茜色が
いつの光さえ分からぬ程に
世界は光に満ちていて
影を通り越す
やがて部屋の中は静かに
カーテンの隙間から差し込む青色
祈りの言葉と共に
君は僕と溶けて消えていた




