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冷たい天使のお話


笑顔が暖かい女の子が1人

今日もみんなを笑顔にしました

優しいその笑顔はみんな大好き

おかあさんもおとうさんも大好き


愛され幸せな女の子

天使の祝福を受けた子ども

誰からにも愛されて

暖かな幸せが女の子を包みます


女の子の夢は何?

天使になることです

みんなに幸せを贈る天使になりたい

女の子は願いました


「なんて純粋な願いごと」

1人の悪魔が聞いていました

「この本をあげるよ」

悪魔は女の子に本をあげました

「最後のページは開いてはいけないよ」

悪魔は女の子に忠告をしました


天使のお話がたくさん書かれた本は

女の子を誘いました


「私も天使になれるかな」

ページをめくる度に

期待がどんどん胸からあふれだす

そして開くなといわれた最後のページ


「ここにはどんなお話があるのかな」

無邪気に純粋に忠告を破り

最後のページを開きました


幸せが終わる音が鳴った

なんて悲しい音なのだろう

凍てつく風が全てを飲み込んだ

一瞬にして

瞬く間に飲み込んだ


気がついた女の子の周りには

積み重なった氷の欠片

氷像が幾つも立ち並んでいました


「お父さん? お母さん?」

氷像は何も答えません

氷像に見えた女の子の姿は

まさに天使

冷たい翼を背負った天使


女の子は全てを理解して

目をおおって叫びました

絶望は深まるだけで

希望は闇の方へと


「私に……天使になれたよ」

女の子は笑いました

冷たく冷たく

笑みを浮かべました



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