クライクライ
君には言えなかった言葉を呟いた
鏡の僕に向かって吐き捨てた
手のひらにこぼれた雨粒を
拭っては滴る繰り返し
分かっていた結末を否定して
目の前にだけ手を伸ばす
このまま続けばいいなと呟いた
夢見た時間から目覚めるとき
楽しいことばかりじゃない毎日も
互いに傷つけ泣いたあの日々も
今は硝子のようにくだけ散った
手に残ったかすかな温もりも 今
冷めていくんだ 夜に誘われて
僕らの心は永遠には戻れない
声を壊して叫んだ
君の影が見えなくなるまで
崩れ落ちていくものを必死に掴んで
結局は何も掬えないまま消えて
それでもいいよと
僕の手を話した君の影が笑う
夜の闇の中に溶けて跡形もなく
終わっていく景色の中で佇んだ
過ぎた時間を数えるように歩く
向こう側の僕が笑っている
指の隙間からこぼれた雨粒を
振り払ってはまた滴る繰り返し
ありきたりの結末から目を反らし
目の前にだけ顔を向けた
続きがないことを知りながら
いつかの日に戻ろうとしていた
残った感情もいつかは消えてしまう
忘れかけた足跡をなぞって歩く
僕らの時間はもう永遠に流されていった
声を壊して叫んだ
君の影が見えなくなるまで
崩れ落ちていくものを必死に掴んで
結局は何も掬えないまま消えて
それでもいいよと
僕の手を話した君の影が笑う
夜の闇の中に溶けて跡形もなく
終わっていく景色の中で佇んだ
最後に叫んだ言葉を噛み締めて
壊れた言葉を踏みつける
もう夢から覚めたかいと僕が言う
淀んだ始まりが目を焼いていた
 




