不完全ノスタルジア
答えを知りたくて
でも正解を知りたくなくて
口ばかりで耳をふさいだ
知りたいことだけを知っていれば
いつも幸せなんだよ
足元に転がる不幸を踏みにじって
寂しそうに微笑んだ
現実を見たくなくて
将来が不安で仕方なくて
でも今が楽しければそれでいいと
口癖のように呟くんだ
そんな私にもいつか来る未来が
怖くて仕方ないのだと
耳をふさいだ指の隙間から
聞きたくない音はあふれだす
どれだけ止めようとも
止めどなく私を押し流していく
知りたくない世界が心をこじ開けて
見たくも聞きたくもないものを
隙間の中に流し込んでいる
空白が埋もれていく脳裏を抱えながら
声が枯れるくらいに叫ぶんだ
大人になりたくないと
他人を振りをして
気付かない振りをして
見て見ぬふりをして生きている
汚れたくない一心で無邪気になって
純潔を踏みつけている
足元に転がる幸福も踏みにじって
平気を装って笑っていた
自分さえよければいいと
他人の手を振り払って
でも本当は誰かといたい
面倒臭い自分に言い訳をして
本当は手を伸ばしてほしいと
耳をふさいだ手を震わせている
誰もが孤独を演じている
一人一人が心から叫んでいる
その声にふさいで笑っている
私たちはきっと弱い
辛い思いはしたくないよ
悲しい思いはしたくないよ
幸せになりたいよ
ただ笑っていたいよ
このまま時間が止まればいいな
進み続ける時計の針を
止めたとて音は鳴り止まない
私たちの知らない未来は
やがて目の前にやって来る
耳をふさいだ指の隙間から
聞きたくない音はあふれだす
どれだけ止めようとも
止めどなく私を押し流していく
知りたくない世界が心をこじ開けて
見たくも聞きたくもないものを
隙間の中に流し込んでいる
空白が埋もれていく脳裏を抱えながら
声が枯れるくらいに叫ぶんだ
大人になりたくないと




