表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
487/660

不完全ノスタルジア

 

答えを知りたくて

でも正解を知りたくなくて

口ばかりで耳をふさいだ

知りたいことだけを知っていれば

いつも幸せなんだよ

足元に転がる不幸を踏みにじって

寂しそうに微笑んだ


現実を見たくなくて

将来が不安で仕方なくて

でも今が楽しければそれでいいと

口癖のように呟くんだ

そんな私にもいつか来る未来が

怖くて仕方ないのだと


耳をふさいだ指の隙間から

聞きたくない音はあふれだす

どれだけ止めようとも

止めどなく私を押し流していく


知りたくない世界が心をこじ開けて

見たくも聞きたくもないものを

隙間の中に流し込んでいる

空白が埋もれていく脳裏を抱えながら

声が枯れるくらいに叫ぶんだ

大人になりたくないと


他人を振りをして

気付かない振りをして

見て見ぬふりをして生きている

汚れたくない一心で無邪気になって

純潔を踏みつけている

足元に転がる幸福も踏みにじって

平気を装って笑っていた


自分さえよければいいと

他人の手を振り払って

でも本当は誰かといたい

面倒臭い自分に言い訳をして

本当は手を伸ばしてほしいと

耳をふさいだ手を震わせている


誰もが孤独を演じている

一人一人が心から叫んでいる

その声にふさいで笑っている

私たちはきっと弱い


辛い思いはしたくないよ

悲しい思いはしたくないよ

幸せになりたいよ

ただ笑っていたいよ


このまま時間が止まればいいな

進み続ける時計の針を

止めたとて音は鳴り止まない

私たちの知らない未来は

やがて目の前にやって来る


耳をふさいだ指の隙間から

聞きたくない音はあふれだす

どれだけ止めようとも

止めどなく私を押し流していく


知りたくない世界が心をこじ開けて

見たくも聞きたくもないものを

隙間の中に流し込んでいる

空白が埋もれていく脳裏を抱えながら

声が枯れるくらいに叫ぶんだ

大人になりたくないと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ