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呪われの者へ

 

輪郭を重ねる者たちから

文字を綴る者たちへ


呪われているのは世界か君たちか

愚者に弄ばれた目のない人形が

君たちへ羨望の眼差しを向けている


生に負けた先駆者たちが

君たちを導こうと手を招いている

その先に在るのは

その者たちが辿った悲惨な運命

なんて悲しいことだろう

また新たな犠牲者を産み出した


仮面を被って笑い続ける不知の魂が

君たちを潰そうと手を差し伸べる

無惨にも飲み込まれたその手は滲んで

持つ物全てが色彩を失う

絵など描けるか!

文字など綴れるか!

全ては思惑通りに自滅するのか

掃き捨てられた暴言の如く

我らを糾弾して死へと追いやる


なんとも救えぬ魂たちよ

美を求めることは出来たか?

追い求めた先に何が見えた?

いや、元より繋がれた眼に美など映りやしない

濁ったみ水には景色は映らない


汚れた衣を羽織った死神が

美女の姿を見真似て迫り来る

見開かれた双眸が

我らを惑わし誘惑する

抗えぬこの誘いを我らは

あえて目を覆い隠して

見て見ぬ振りをする


振り向いた先に横たわる

冒涜と惨劇の具象が

現実を喉元に見せ付ける

その上に覆い被さる

賛美と祝福の虚構を

我らは現実だと思い込んでいる


あまりに連なった軌跡は行く先を失って

やがて白紙へと戻り消える

連ねたものなど他者の眼にすがった

偽造の真でしかない

やがて自己に回帰して

自らを縛り付ける糧になる


定められたことしか見れぬ人形よ

どうか彼らの叫びを聞いておくれ

どうせ届かぬことはないだろうから


呪われた者たちよ

君たちは幾千の震えを目にして来た

価値とは常に相容れぬ

世界は君たちを受け入れなどしない

表面で笑い裏面で嘲笑う


手にした物はなんだ?

それに存在理由を求めてはいけない

自分自身に求めるべきである


輪郭を連ねた者たちから

文字を綴る者たちへ


呪われたのは君たちか世界か

それとも自らか?

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