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エイエンノハナシ「永遠を終えて」

 

思い返せば長いことだった

移り変わる景色も

過ぎ去っていく日常も

あっという間のように思えて

振り返れば

気の遠くなるような時間が

積み重なっていた


残ったものはない

ただ生きていたということだけが

事実として残っていた

何の証明もない

世界にも残されない

ちっぽけなものがここにある


幾つものの悲しみを経験した

幾つものの幸せも噛み締めた

その先にあったものは1つもなく

ただ途方もない時間が折り重なって

自分を押し潰していく

感情さえも擦りきれて

ここにいる自分は何者なのだろうか?


不老不死を求めた

死にたくないがために

その結末にあったのは

自分だけが取り残されて

愛する人も記憶もなくなった現実

破れた本はもう捨てた

断片的に見える霧だけが

心の中のようだった


終わりを願う

始まりにすら至れない結末を呪う

それでも生きていくしかない

どうしてか幸せを願うのだ

切り取られた景色の中に

かつての自分が願ったことを


心だけが老いていく

体も声も手のひらも

老いることはなく

時間のさざ波にさらわれて

心だけが朽ちていく


死ぬように今も生きている

ただ終わりを夢見て1日を過ごす

その中にある小さな幸せさえ分からずに

私の願った永遠は

とうの昔に終わっていたのだろう

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