ボイス=ワード
ありふれた言葉を並べた
みんなが言うんだ
当たり前を謳っても
価値なんてないんだと
いつも悩んでいた
僕の言葉は当たり前しかなかったから
悲しいことも寂しいことも
綺麗な言葉で表現出来たなら
誰かが見てくれるのだろうな
僕にしか書けない言葉で
誰かが歌ってくれるだろうか
あふれだした言葉は止まらない
それがどれだけありふれたものでも
僕が見つけた言葉
君が歌った言葉
その一つ一つに喜怒哀楽を
ありきたりな言葉を並べた
僕が呟くんだ
変わったものも書けない
意味を見いだせない
いつも諦めていた
僕の言葉はだれかの借り物だから
嬉しいことも楽しいことも
感情のままに表現出来れば
誰かが笑ってくれるのだろうか
借り物だらけの言葉でも
誰かが認めてくれるのだろうか
きっとこれからも変わらない
今が続く
過去が続く
借り物だらけの言葉で
僕は変わらないままで
あふれだした言葉は止まらない
それがどれだけありふれたものでも
僕が見つけた言葉
君が歌った言葉
その一つ一つに喜怒哀楽を
借り物だらけでも謳う僕らがいる
悩んでも後悔しても
嫉妬しても言葉は波間のように
繰り返す僕らをさらって
きっとみんな同じで違っていくのだろう
あふれだした言葉は止まらない
それがどれだけありふれたものでも
僕が見つけた言葉
君が歌った言葉
その一つ一つに喜怒哀楽を
見られないこともあるけれど
それは決して無駄なことじゃない
僕らが残してきた言葉がきっと
誰かの心に足跡を残していく
まだ借り物だらけの言葉だけど
僕はまだうたをうたおう




