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化け物が笑う

 

寂れた鳥居を潜れば

廃れた社がお出迎え

皆が口を揃えて言うんだ

ここに来れば願いが叶うって


ちっぽけな願いを込めて

手を合わせて祈る

叶ったらいいなくらいの気持ちで

ちょっとした好奇心

ちゃんとした冒険をしてみたかった


朝には願いは叶っていた

佇む影に狼の姿

君が望んだことだろう?

その日から私の足元に

影の狼が住み着いた


夜になれば悪夢を見ては起きる

足元に伸びる影が笑う

泣いても叫んでも

逃げても隠れても

全てが夢の中で終わること

現実は変わらない

君が望んだことだろう?


願ったことはただ友達が欲しかった

たったそれだけのことで

日常は脆くも崩れ去って

化け物が口を開いて笑う


変わっていく友達

狂っていく私たち

それでも狼は足元で笑うだけ

出ていけ

出ていって

無理さ

君が望んだことだろう?


最後に残ったものは何?

足元から影が伸びる

狼は杜に消えていく

寂れた鳥居を潜って

廃れた社に戻る

勝手に願って

勝手に狂って

これだから人間は--

化け物が笑った





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