呪いに満ちた者たちへ
以前に載せた『呪われの者へ』をリメイクした作品です。
色彩を重ねる者たちよ
言葉を連ねる者たちよ
呪われたのは君たちか
それともこの世界か
愚かに唆された人形が
君たちに愛憎の目を向けている
生きることに負けた者たちが
彼らを手招く
その先にあるのは
朽ちた地とは知らずに
足元を掬い上げて突き落とす
新たな生け贄を欲しているのだ
不埒な魂が仮面を被って見栄を張る
君たちを潰そうと手を握る
哀れにも掴まれたその手は
持つもの全てが喪われていくのだ
キャンパスをへし折り
筆を暗闇の中に投げ捨てる
全ては愚者の思惑のままに
掃き溜めに捨てられた暴言の如く
彼らを糾弾しては淵へと落とす
何とも救いのない亡者たちか
世界を求めることが出来たか?
その先に何を見つけた?
いや
縫い合わされた目蓋は開かない
元より手元すら見えていないのだから
淀んだ水面に空は映らない
始めから求めるべきものだとないだろう
汚れた衣服を見に纏い瀬に立つ
死に神が背中を押す
無為に抉じ開けられた双眸が
彼らの心を覗いている
片手を背に隠して手招く
その誘いに抗えない彼らは
あえて見て見ぬ振りをする
そして側に着いた矢先
彼らは地獄へと堕ちていく
横たわった先に広がる
冒涜と狂喜に満ちた視界が
現実を喉元に突きつける
その傍らで耳元で
空虚な賛美と祝福を聞きながら
永遠の妄想の中で彷徨う
歳月を積み重ね
やがて白紙に戻る石像が
まだだと足掻き掴み取ったのは
禁忌の果実
虚飾では何も奪えずに
やがて衰え回帰する
それは自身を縛り付ける罪となる
何も得られずに彷徨う亡霊よ
どうか彼らの悲鳴を聞いてくれ
誰にも気付かれない叫びを
どうか嘲笑って欲しいのだ
君たちは幾千の偶像を見てきたことだろう
意味と価値は交わらない
人間など同じものはいないのだから
世界は君たちを否定する
表面で手を伸ばして
裏面ではせせら笑い
その手にしたものはあったか?
何も残せない者たちの声すらも聞こえない
君には世界を見る価値はない
色彩を重ねる者たちよ
言葉を連ねる者たちよ
呪われたのは世界か君たちか
愚者は未だに待っている
読んで頂きありがとうございます。
前書きにもありましたように、この作品は『呪われの者へ』をリメイクした作品です。
痛い文言を並べ立て上で滑稽な文章がだらだらと続いています。
しかし、それこそが今の「創作」だと思いました。
歌にしろ、小説にしろ、絵画にしろ、意味の込めすぎた作品は混沌の溢れて、虚飾に埋もれてしまっていると思いました。
呪われたのは価値を認めない世界か、それとも「君たち」か。きっと答えはあなた方が知っていると思います。




