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虚飾の沼

 

虚飾に埋もれた世界の中で

私たちは何を探すために

泥を被っているのだろうか

その重さに耐えきれずに

立ち上がることも出来ないはずなのに

私たちは何を

必死になって求めているのだろうか


淀んだ景色の中に

鮮明な夢を見たのだろうか

霞んだ景色の中に

鮮烈な現を探したのだろうか

それはいつかは埋もれてしまう

幻にしか過ぎないのに


私たちは泥を練って世界を潰す

自分にしか見えない偽りの具現化を

あたかも正しいように押し付け合い

濁った色で潰し合う

そんなことにも気付けずに

己が上だと他者を淵に沈めている


何が正しくて何が悪いのか

善悪の判断さえ曖昧で

そのくせ己が作るものが正義だと

愚者の意見にも耳を傾けない


沼の中を這いずり回り

横たわる先人を板とする

その上で胡座を描く摸倣者は

くすんだ宝石を見に纏い

先人の振りをしてまた深みにはまる

その姿を遠方で笑う者たちが

まともだと誰も知る由はない


この世界を美しい描こうと

泥を塗り続ける者たちと

拙い言葉で王を気取る愚か者

虚飾を払おうとまだ足掻く

虚飾に埋もれたのは世界ではなく

自分たちと気付けずに

沼底へと墜ちていけ

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