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暗イ旅路
闇が堕ちる
影が背中を追い越す
明かりの中に消えては
また背後から走り出す
世界は暗く
どこ行く路にも影が差す
それはいつか見た宵の始めで
空は落ちていた
星の明かりを道しるべに
今日も私は一人歩く
仄かな明かりと
最低限の荷物を背負い
宛のない旅路を歩く
世界を見るのだ
この暗い世界を
ただそれが目的で
ただそれだけが生きで
私は白い吐息をこぼした
轍はなく
足跡だけが連なっていく
いつも見ていた景色は暗闇の中
朗らかな夜が目をおおう
この世界で私は生きる
暗闇の中に足跡を残して
私の旅路はまだ
暗闇の中に続いている




