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宵のよすが

 

街灯の明かりが月のように

淡く照らす

月影のように

地に伸びる影が帽子をかぶる

眩しいとかざした手の隙間から

月の温もりがこぼれ落ちた


吐息は鉛色に溶けて

寂しげな風が髪を解かす

誰にも聞かれない声を

ため息と共に吐いた


待ち合わせ場所

誰とも待たずに

ただ暗闇に待つ

移ろう影を目で追って

静かな宵によりすがる


独りは嫌じゃないって

強がるように呟いた

本当はただの寂しがり屋で

強がれるほど強くもないのに

背伸びをしてみたかった


宵に埋もれた街の中

過ぎていく時間を見つめる

目の前を通りすぎていく影たちが

楽しそうに光に消えていく


感傷的になっても何もない

あたりまえのことを呟いた

それでもちょっと安心していた

暗闇の先

幾重に灯る光が私を連れ戻す


強がっても寂しさは好きにはなれない

静かな宵がただ笑う

フェンス越しの喧騒も悪くはない

むしろ私はやっぱりそっちが好きだ


足を蹴って歩き出す

待ち人は影を落としてほほ笑む

夜空はいつも明るいよと

独りよがりな孤独にさようならを

宵のよすがはここにある

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